不動産売却における現状渡しとは?メリット・デメリットは?

不動産売却における現状渡しとは?メリット・デメリットは?

不動産を「現状渡し」で売却しようとしている方へ。なぜ「現状渡し」が選ばれるのか、そのメリットと注意点をご紹介したいと思います。

この記事を読むことで、「現状渡し」売却の流れやメリット・デメリットを知る事ができるはずです。不動産を賢く売却したい、そんな方の参考になれればと思います。

目次

不動産売却における「現状渡し」の基本概念について

不動産売却における「現状渡し」時の売却価格への影響とは?

不動産売却において「現状渡し」とは、物件を売却時の状態でそのまま引き渡すことを指し、売主は原則として契約不適合責任を負わない取引形式になります。

この方式は売主にとって売却の手間や費用を軽減できるメリットがある一方で、買主は比較的安価に物件を手に入れることができるものの、物件の問題は自己責任で対応する必要があります。

双方にメリットとデメリットがあるので、売主は問題を事前に告知し、買主は物件調査を徹底するなどの注意が必要です。

売主側の「現状渡し」のメリット・デメリット

売主側の「現状渡し」のメリット・デメリット

「売主」側のメリット

費用と手間を軽減できる

現状渡しであれば、売主は物件の修繕や清掃などの費用を負担する必要がありません。 また、修繕業者を探す手間なども省けます。 特に、築年数が古く、修繕に多額の費用がかかるような物件の場合、現状渡しで売却することで、経済的な負担を大きく軽減することができます。

早く売却できる可能性が高い

現状渡しは、買主にとって価格が比較的安価であるため、通常の売買よりも買い手がつきやすい傾向があります。 特に、競争が激しい市場環境においては、早期売却を希望する場合に有効な手段となります。

「売主」側のデメリット

売却価格が安くなる可能性が高い

現状渡しは、買主にとってリスクが大きいため、通常の売買よりも売却価格が安くなる傾向があります。

トラブルに発展する可能性がある

現状渡しでは、買主が物件の瑕疵を発見した後に、売主とトラブルになる可能性があります。 特に、瑕疵の内容や程度によっては、訴訟に発展するケースもあります。

買い手がつきにくい場合がある

現状渡しは、買主にとってリスクが大きいため、買い手がつきにくい場合があります。

買主側の「現状渡し」のメリット・デメリット

買主側の「現状渡し」のメリット・デメリット

「買主」側のメリット

価格が比較的安価

現状渡しは、売主が修繕義務を負わないため、価格が安くなる傾向があります。 特に、築年数が古く、修繕に多額の費用がかかるような物件の場合、買主は価格交渉を行いやすいかもしれません。

自分の理想に合わせてリフォームしやすい

現状渡しであれば、物件を購入後に自由にリフォームすることができます。 キッチンや浴室、内装などを自分の好みに合わせて改装することで、より住みやすい空間を作ることができます。

「買主」側のデメリット

瑕疵などの問題があっても自己責任で修繕する必要がある

現状渡しでは、売主は契約不適合責任を負いません。 つまり、物件に瑕疵があっても、買主は売主に修繕や損害賠償を請求することができません。

修繕費用が高額になる可能性がある

物件の状況によっては、購入後に多額の修繕費用がかかる場合があります。 特に、老朽化が著しい物件や、雨漏りなどの問題がある物件は注意が必要です。

思わぬトラブルが発生する可能性がある

現状渡しでは、契約書に記載されていない瑕疵や、契約違反などのトラブルが発生する可能性があります。

不動産売却における「現状渡し」時の売却価格への影響とは?

不動産売却における「現状渡し」時の売却価格への影響とは?

現状渡しとは、販売時の状態そのままを、買主が引き受けることを意味します。 つまり、売主は物件の修繕義務を負わず、瑕疵(欠陥)があっても、基本的にその責任を負いません。

現状渡しで売却する場合、売却価格は通常の売買よりも安くなる傾向があります。 その理由は以下の通りです。

買主が修繕費用を負担する必要がある

現状渡しでは、買主は物件を購入後に、修繕費用を自己負担する必要があります。 特に、築年数が古く、修繕に多額の費用がかかるような物件の場合、買主にとって大きな負担となります。 そのため、現状渡しの物件は、価格が安く設定されることが多くなります。

瑕疵のリスクがある

現状渡しでは、売主は契約不適合責任を負いません。 つまり、物件に瑕疵があっても、買主は売主に修繕や損害賠償を請求することができません。

この瑕疵のリスクを考慮して、買主は現状渡しの物件に対して、低めの価格を提示することが一般的です。

心理的な抵抗感

現状渡しは、買主にとって心理的な抵抗感がある場合があります。

なぜなら、購入後に思わぬ瑕疵や問題が発生する可能性があるからです。 この心理的な抵抗感も、現状渡しの物件の価格を押し下げる要因となります。

現状渡しで売却する場合の具体的な売却価格への影響は、以下の要素によって異なります。

物件の状態

  • 築年数
  • 修繕状況
  • 瑕疵の有無

立地条件

  • 市場環境
  • 周辺の相場

買主の属性

  • リスク許容度
  • リフォームの予定

一般的には、築年数が古い、修繕が必要な箇所が多い、瑕疵がある、立地条件が悪い物件ほど、売却価格への影響が大きくなります。

逆に、築年数が新しい、修繕が済んでいる、瑕疵がない、立地条件が良い物件は、通常の売買とさほど変わらない価格で売却できる可能性もあります。

現状渡しで売却を検討している場合は、物件の状態を把握した上で、不動産業者に相談することが重要です。不動産業者は、過去の取引事例や市場動向などを参考に、適切な売却価格をアドバイスしてくれます。

トラブルを避ける「現状渡し」のコツについて

トラブルを避ける「現状渡し」のコツについて

現状渡しは、売主にとって費用と手間を軽減できる、早く売却できる可能性が高いなどのメリットがある一方、売却価格が安くなる可能性が高い、トラブルに発展する可能性があるなどのデメリットもあります。

現状渡しでトラブルを避けるためには、以下の点に注意することが重要です。

売主は瑕疵があれば、あらかじめ買主に告知する

売主は、民法上の告知義務を負っており、物件に隠れ瑕疵がある場合は、買主にあらかじめ告知する必要があります。告知を怠った場合、買主から契約不適合責任に基づく修繕請求や損害賠償請求を受けられる可能性があります。

物件の調査をする場合は、専門の業者に依頼するのがおすすめです。また、告知内容は書面で残しておくことが重要です。

契約書に「現状渡し」であることを明記する

契約書には、「現状渡し」であることを明記する必要があります。明記することで、トラブルが発生した場合に、売主が契約不適合責任を負わないことを明確にすることができます。

専門家に相談する

現状渡しは、複雑な法律問題が絡む取引です。トラブルを避けるためには、不動産業者や弁護士に相談することをおすすめします。契約書の作成や買主との交渉など、様々なサポートをしてくれます。

買主とのコミュニケーションを密にする

買主とのコミュニケーションを密にすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。物件の状態について正直に説明し、買主の質問には丁寧に答えるようにしましょう。

必要に応じて修繕を行う

軽微な修繕であれば、売主が修繕を行うことで、売却価格を高くしたり、トラブルを回避したりすることができる場合があります。

まとめ

現状渡しは、メリットとデメリットがある取引方法ですので、今回ご紹介した内容をぜひ参考にしていただき、トラブルのない取引を目指すようにしてください。

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