不動産を売ることは、人生で大きな出来事の一つです。成功させたい気持ちは誰もが持っていますが、そのためにはいくつかの大切なポイントを押さえておく必要があります。
この記事では、不動産を売る際の手順に沿って、不動産売却においての注意すべき点を紹介していきたいと思います。
不動産売却の基礎知識について
不動産売却の成功のカギは準備と情報収集にあります。不動産を売る前に、その価値を正しく知り、適切な不動産会社を選ぶことが重要です。
なぜなら、不動産の価値を知ることで、適切な価格で売り出すことができ、良い不動産会社を選ぶことで、スムーズに売却プロセスを進めることができるからです。
不動産売却は複雑で、多くの手続きや法律の知識が必要とされます。そのため、自分だけで全てを行うのは非常に難しいだけでなく、市場の相場を知らずに価格を設定すると、高すぎて売れない、もしくは安すぎて損をしてしまう可能性すらあります。
不動産売却は先述しましたように準備が肝心です。
市場の相場を調べ、信頼できる不動産会社を見つけることで、スムーズかつ有利に売却を進めることができます。不動産売却は一生に一度の大きな取引かもしれません。だからこそ、慎重に、そして賢く進めましょう。
不動産を売却する前に注意点5つ
不動産を売却する前には、いくつかの重要な点に注意して準備を進める必要があります。ここでは、不動産売却前に押さえておきたいポイントを簡潔にまとめてみましょう。
①自宅の状況を調べる
- 築年数、材質、間取りなど、自宅の基本情報の確認
- リフォーム歴や修繕が必要かどうかをチェック
- ライフラインの状態や建物の基礎、構造体の確認
- 見た目の状態、土地の用途地域、建築基準法に基づく制限の把握
- 境界線の確認
②不動産売買に関する契約や登録を調べる
- 住宅ローンの返済状況と抵当権の有無をチェック
- 相続登記が必要な場合は、事前に手続きを完了させる
- 2024年4月1日から相続登記が義務化されるため、期限内に登記を進める
③不動産売却の流れと期間を確認する
- 売却活動のステップと必要な手続きを理解する
- 仲介売却は一般的に3ヶ月~6ヶ月かかることを覚悟する
- 査定から契約、確定申告までの流れをチェックする
④不動産売却にかかる費用を把握しておく
- 仲介手数料や印紙税、抵当権抹消費用など、売却に伴う費用を確認
- 売却益が出た場合の税金(譲渡所得税・住民税・復興特別所得税)に注意
- 余裕を持った売却スケジュールを立てる
⑤期限に追われず、高く売るための余裕を持ったスケジュールを計画する
- 売却期間が延びる可能性を考慮し、柔軟な対応ができるように準備。
不動産売却は大きな取引です。成功させるためには、これらのポイントを事前にしっかりと把握し、準備を進めることが重要になってきます。
不動産売却活動中の3つの注意点
不動産売却中に注意すべきポイントをまとめます。売却プロセスをスムーズに進め、トラブルを避けるために重要なことにもなりますのでしっかり抑えておきましょう。
不動産会社との関わりについて
複数の不動産会社に査定依頼
市場相場を把握し、適切な売り出し価格を設定するためには、最低3社以上の査定が推奨されます。
担当者との相性を重視する
売却活動をスムーズに進めるためには、信頼できる担当者選びが重要になってきます。
物件の準備について
内覧前の事前準備
水回りやリビングなど、特に重要な箇所の掃除を徹底し、物件の魅力を最大限に引き出しましょう。
広告内容の見直し
内覧予約が入らない場合は、広告の写真や掲載場所、期間を見直してみましょう。
契約に関する注意について
契約内容の理解
契約書の内容を詳細に読み、不明点があれば専門家に相談することが重要です。契約内容を正確に理解し、後のトラブルを避けましょう。
法的義務の遵守
法的義務の確認と遵守
税務や登記など、不動産売却に関わる法的義務を遵守することが必須です。必要に応じて税理士や不動産弁護士などの専門家の助言を求めましょう。
不動産売却は複雑なプロセスを伴いますが、上記のポイントに注意し、計画的に進めることで、スムーズな売却が期待できます。
専門家のアドバイスを活用し、リスクを軽減しながら進めていくようにしましょう。
不動産売却後の3つの注意点
以下は不動産売却後に注意すべきポイントになります。売却完了後も忘れずに行うべき手続きや計画について理解し、将来の安心を確保するようにしましょう。
①確定申告を忘れずに行う
譲渡所得税と住民税の申告・納付
不動産売却による利益がある場合、譲渡所得税と住民税の申告が必要です。売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行いましょう。
3,000万円特別控除の利用
条件によっては、譲渡所得税の特別控除が適用される場合がありますが、これを利用するには確定申告が必須です。
②税金の申告・納付
譲渡所得税や住民税の正確な計算
売却によって得た所得に基づき、正確に税金を計算し、期限内に申告・納付しましょう。
罰則の回避
申告や納付を怠ると、罰金や遅延損害金が課される可能性があります。法的義務を遵守し、トラブルを避けましょう。
③資金の運用や再投資
将来の経済的安定のための計画
売却で得た資金を適切に運用または再投資し、将来の安定を目指しましょう。
専門家との相談
資産運用の専門家に相談し、リスクを管理しながら資金を有効に活用する方法を検討してください。
不動産売却後も、税金の申告や資金の運用計画など、後の生活に大きく影響する重要な手続きが残っています。これらのポイントをしっかりと把握し、計画的に対応することで、売却後の生活も安心してスタートさせることができます。
不動産会社選びと契約の注意点
不動産会社選びと契約において注意すべきポイントになります。
不動産取引は一生に何度もあることではないため、慎重に進める必要があります。以下のポイントを押さえて、後悔のない不動産取引を目指しましょう。
不動産会社選びのポイント
信頼できる不動産会社の選定
不動産会社は数が多く、どの会社に依頼するかが取引の成功を左右します。信頼できる会社を選ぶためには、口コミや評判、過去の取引実績を確認しましょう。
営業担当者との相性
営業担当者とのコミュニケーションがスムーズに取れるかも重要です。相性が良い担当者を選ぶことで、取引中の不安や疑問を解消しやすくなります。
物件情報の質と量
管理会社の機能を持つ不動産仲介会社は、レインズに掲載されていない独自の物件情報を持っていることがあります。豊富な物件情報を持つ会社を選ぶことで、より多くの選択肢の中から理想の物件を見つけることができます。
契約の注意点
仲介手数料の確認
不動産取引には仲介手数料が発生します。手数料の上限や計算方法を事前に確認し、予想外の出費がないようにしましょう。
損害保険の選択
物件を借りる際には損害保険への加入が求められることが多いですが、提携している保険会社に限らず、自分で選んだ保険会社に加入することも可能です。保険料を節約するためにも、複数の保険会社を比較検討しましょう。
不動産会社選びと契約においては、信頼できる会社と担当者を選び、契約内容をしっかりと理解することが重要です。また、仲介手数料や損害保険に関する知識も事前に身につけておくことで、スムーズで安心な不動産取引が可能になります。
不動産取引は大きな決断ですので、後悔のないよう慎重に進めましょう。
不動産売却において”やってはいけないこと”とは?
不動産売却時にやってはいけないこともありますので以下にまとめました。これらのポイントを意識することで、スムーズで有利な不動産売却を目指しましょう。
①:大手・中小に偏って査定依頼をしない
大手と中小の不動産会社、どちらにも査定依頼をするようにしましょう。
大手は全国規模での広告が強み、中小は地元密着での細やかな対応が強みです。偏りなく依頼することで、最適な売却戦略を立てられます。
②:売却相場を調べずに売り出し価格を決めない
売却相場の調査が必須になります。
相場より高すぎると売れ残り、低すぎると損をしてしまう可能性があります。周辺の類似物件や公的価格を参考に、適正価格を設定しましょう。
③:売却価格を上げるためにリフォームをしない
リフォーム費用が売却価格に見合わない場合があります。また、買主が自分でリフォームしたいと考えている場合も。不動産会社に相談し、必要性を検討しましょう。
④:損失が出た際に確定申告を行わない
損失が出た場合も確定申告を!
特定の条件下で損失を他の所得から控除できる特例があります。税金対策として、損失が出た場合でも確定申告を行いましょう。
不動産売却時には、適切な不動産会社の選定、売却相場の調査、リフォームの必要性の検討、そして損失が出た際の確定申告が重要です。
これらを適切に行うことで、損をせず、かつスムーズに不動産売却を進めることができます。不動産売却は大きな取引ですので、慎重に進めていきましょう。
まとめ
不動産売却時には、大手と中小の不動産会社への偏りない査定依頼、適正な売り出し価格の設定、リフォームの必要性の慎重な検討、そして損失が出た際の確定申告が重要です。
これらを適切に行うことで、スムーズかつ有利な不動産売却が可能になります。不動産売却は計画的に進め、損を避けるための戦略を立てていきましょう。