不動産売買で個人間における手続きの流れについて

不動産売買で個人間における手続きの流れについて

不動産売買と聞くと、多くの方は不動産会社を仲介して行うことを想像するでしょう。実は、不動産売買は個人間でも行うことができます。ただし、個人間で取引を行う際は、スムーズに物事を進ませるために必要な手続きの流れを理解しておくことが必要不可欠になります。

売買契約の締結・登記の変更・必要書類の準備など、慎重に進めるべきポイントが多く、事前に知識がないと思わぬトラブルに発展する可能性もあります。

この記事では、不動産売買で個人間における手続きの流れや、注意すべきポイントなどを詳しく解説していきます。本記事を読み進めることで、スムーズかつ安全に不動産を取引するためにはどうすればいいのかが分かるはずです。

目次

個人間で不動産売買はできるのか?

個人間で不動産売買はできるのか?

不動産の個人間売買は、法律上可能です。

不動産会社を介さず、売主と買主が直接取引を行うことで、仲介手数料を節約できるというメリットがあります。

しかし、不動産売買には専門的な知識が求められます。適切な価格設定や契約書の作成、登記手続きなど、多岐に渡る業務を自分たちで行う必要があり、手間と時間がかかります。また、法律的な知識が不足していると、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)に関するトラブルや、住宅ローンの審査が通りにくいといった問題が生じる可能性もあります。

個人間で不動産売買を行う際の5つの注意点

個人間で不動産売買を行う際の5つの注意点

不動産売買は高額な取引であるため、専門知識や複雑な手続きが伴います。個人間での売買は仲介手数料がかからないというメリットがありますが、注意すべき点もいくつかあります。ここでは、個人間で不動産売買を行う際の5つの注意点について解説します。

書類作成をしなければいけない

不動産売買には、売買契約書や重要事項説明書、所有権移転登記申請書など、多くの書類を作成する必要があります。これらの書類は法的に重要な意味を持ち、不備があるとトラブルの原因となる可能性があります。

個人間で不動産売買を行う場合、これらの書類作成を自分で行う必要があります。しかし、重要事項説明書は宅地建物取引士の資格を持つ者しか作成できないため、個人間での取引では対応が難しいことがあります。また、所有権移転登記申請書の手続きも複雑なため、不動産取引に慣れていない場合は、専門家(司法書士・行政書士など)に依頼する必要があります。

価格設定が難しい

不動産の価格は、市場の動向・物件の状態・周辺環境など、様々な要因によって変動します。不動産会社を介さない個人では、これらの情報を正確に把握するのが難しく、適正価格を設定できない可能性があります。

その結果、相場よりも安すぎる価格で売却してしまった、高すぎて買い手が全くつかない、という事態が起こりやすいです。

適正価格に設定するためには、不動産鑑定士に依頼して鑑定評価を受ける、近隣の売買事例を参考にする、複数の不動産会社に査定を依頼するなどの方法が考えられます。

住宅ローンが組みにくい

買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関は不動産会社を仲介する取引に比べて、個人間売買の融資審査を厳しくする傾向にあります。これは、個人間売買では物件の担保評価や売買契約の透明性などが確認しづらいことが理由として挙げられます。

特に、重要事項説明書が無い場合や、売買契約書の内容が不十分な場合は融資が受けられないことが多いです。そのため、買主は一括での支払いを求められる可能性があり、資金計画に大きな影響を及ぼすことがあります。

トラブル発生のリスクがある

不動産の個人間売買は、当事者同士が直接取引を行うため、様々なトラブルが発生しやすいと言われています。

特に、物件の瑕疵に関する情報が十分に提供されなかったり、契約不適合責任に関する理解が不足していたりすると、後々大きな問題に発展する可能性があります。また、代金の支払い遅延や未払い、登記手続きの不備なども、個人間取引では起こりやすいトラブルとして挙げられます。

トラブルが発生すると仲介業者がいないため、解決が難航することも少なくありません。不動産の個人間売買を行う場合は、これらのリスクを十分に理解し、慎重に進める必要があります。

税金関連

個人間で不動産を売買する際、適正価格で取引を行わないと贈与税が課される可能性があります。例を挙げると、市場価格よりも著しく低い価格で売買したら、その差額が贈与したとみなされ、贈与税の対象となったというケースです。

また、不動産売却による譲渡所得が発生した場合、確定申告が必要となる場合があります。これらの税金に関する知識が不足していると、後々税務上の問題が生じる可能性があります。

不動産売買で個人間における手続きの流れ

STEP
不動産の価格相場を調べる

まずは、売却予定の不動産が市場でどのくらいの価値があるのかを把握することが大切です。不動産の相場が調べられるサイトを活用し、現在の市場動向や類似物件の取引事例を調査しましょう。これにより、適切な価格設定が可能になります。

STEP
必要な書類を準備する

不動産売買には多くの書類が必要です。土地・建物の登記識別情報通知(権利証)または、登記簿謄本(全部事項証明書)、公図・測量図・建物図面、固定資産税課税証明書、印鑑証明書(発行日から3カ月以内のもの)などがあります。これらの書類を事前に準備しておくことで、手続きをスムーズに進められます。

STEP
売却価格を設定する

市場調査したデータを基に、売却価格を設定します。価格設定は高すぎても低すぎても問題が生じるため、慎重に行いましょう。

STEP
買主を探す

買主を見つけるためには、親族や親しい友人などの関係から探していく方法と、個人間売買のアプリを活用する方法もあります。ただし、見知らぬ相手との取引は慎重に行うようにしましょう。

STEP
買主と価格交渉をする

買主が見つかったら、売買価格や支払い方法、引渡し時期などの条件を交渉します。お互いの希望を尊重し、合意に至るよう努めましょう。この段階での明確に合意することで、後々のトラブル防止に繋がるでしょう。

STEP
売却に必要な書類を作成する

合意が成立したら売買契約書を作成します。契約書には、売買の目的物・代金・支払い時期・引渡し条件などを明記します。印紙税の貼付も忘れずに行いましょう。また、所有権移転登記の手続きも必要となりますが、これは司法書士に依頼することが一般的です。

STEP
物件を引き渡す

買主からの代金入金を確認したら、物件の鍵や関連書類を引き渡します。同時に、所有権移転登記を行い、正式に所有権を買主に移転します。これらの手続きを適切に行うことで取引が完了します。

まとめ

今回は、不動産売買で個人間における手続きの流れや、注意すべきポイントなどを解説してきました。

不動産の個人間売買は可能であり、不動産会社を介さずに取引できるため、仲介手数料を節約できるメリットがあります。しかし、以下のような注意すべきポイントも存在しています。

まず、書類作成の負担が大きいことです。売買契約書や登記関連など数多の書類を自分で準備する必要があります。次に、価格設定が難しいことです。不動産の価値は市場動向や物件の状態によって左右されるため、個人で適正価格を見極めるのは難しく、相場から大きく外れた価格になりがちです。

さらに、個人間売買では金融機関の融資審査が厳しくなるため、買主が住宅ローンを利用しにくいという問題もあります。また、契約不適合責任を巡るトラブルや、支払い遅延・登記手続きの不備など、様々なトラブル発生のリスクが伴います。税金面でも注意が必要で、不適正な価格設定だと、贈与税の対象になることや、譲渡所得税の申告義務が生じる可能性があります。

このように、個人間での不動産売買は慎重な対応が求められるため、かなりの時間と労力を要します。全て一人で行うのが難しいと感じる方は、不動産会社に相談することも検討してみてください。

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