不動産が市場で売れ残る主な理由は、内覧者が少ないか、内覧から購入へと中々進まないことが原因の一つとしてあります。この記事では、家が売れなくて困っている人に向けて、その原因と対策をご紹介したいと思います。
原因や解決策が当てはまるかなど、ご自身の状況と照らし合わせて読んでいただければと思います。
家が売れない時の3つの原因とは
多くの人が不動産を市場に出してもすぐに買い手が見つからず、悩むことがあります。
一般的には、住宅売却には約3〜6ヶ月かかるとされていますが、この期間を超えても買い手が現れない場合は、売却が難航していると見なされます。
物件が市場に出てから6ヶ月や1年経過しても売れないと、売り手にとってはストレスが増します。特に、新しい家への買い替え、大きな現金が必要、離婚などの個人的な事情がある場合、売却の遅れはさらに重大な問題となるでしょう。
現在、少子高齢化や人口減少の影響で、不動産が売れにくい時代が予想されています。そこで、不動産を売却したいがうまくいかない、または売却を考えているがスムーズに進むか不安な方に、不動産が売れない理由と対応策を解説します。
家が売れない理由としては主に以下の点が挙げられます。
- 物件自体の問題点
- 見学者の少なさ
- 見学から購入に至らないケース
これらのポイントについて説明したいと思います。
①物件自体の問題点
家を売却する際、その家の「築年数」や「立地条件」が大きな影響を及ぼすことがあります。例えば、年数が経過して老朽化が進んでいる建物や、生活に便利でない場所に位置していると、売れにくくなる傾向があります。
多くの人は新しくて状態の良い家を好むため、古い建物は市場での需要が少なくなることが一般的です。
また、家のある地域によっても需要が異なります。例えば、一般的に生活が便利な都市部では需要が高いのに対し、都市から遠い地方や郊外、交通アクセスが不便な場所では需要が低くなることが多いです。さらに、市街地化が制限されている区域では、原則として新しい建物が建てられないため、これも需要を下げる要因となります。
その他にも、最寄りの駅から遠い場所やバス便のみの地域、事故物件なども売却が困難になる可能性があります。
②見学者の少なさ
不動産会社と契約して家の売却を開始したものの、内覧の問い合わせがほとんどない状況に悩んでいませんか?ここでは内覧希望者が少ない原因について考えてみましょう。
宣伝の不十分さ
内覧希望者が少ない原因の一つとして、依頼した不動産会社の宣伝が十分でないことが挙げられます。例えば、広告の範囲が限られているか、広告の内容や写真が魅力的でないことがあります。
さらに、重要な不動産ポータルサイトへの登録がない場合もあります。現代では多くの購入者がインターネットのポータルサイトを通じて物件を探すため、これらのサイトに登録されていないと、見込み客に物件情報が届かないことになります。
物件の情報が届かないか、届いても魅力が伝わらなければ、内覧希望者の増加は期待できないでしょう。
価格設定の問題
次に、不動産の需要が低い別の要因として「価格」があります。
市場価格を大きく上回る売り出し価格を設定すると、需要が減少します。過剰に高い価格設定は、購入希望者がインターネットで価格フィルターを使用して検索する際に、リストアップされにくくなります。これにより、潜在的な内覧者の数が減り、結果として需要が低くなる可能性があります。
③見学から購入に至らないケース
内覧が多数行われても購入に至らない場合、その理由として主に以下の2点が挙げられます。
内覧の準備不足
最初に、内覧に十分な準備ができていないことが購入への障害となることがあります。不動産購入は重要な決断であり、潜在的な購入者は、後悔のない選択をするために物件の隅々まで検査します。
部屋が乱雑であったり、水回りの清潔感が欠けていたりすると、購入希望者の意欲が低下します。未修繕の箇所が目立つと、物件の耐久性に疑問を抱かせ、購入意欲をさらに削ぐことになります。
内覧時の対応不足
また、内覧時の対応が不十分なことも、購入に結びつかない原因の一つです。
内覧時の応対が適切であったか、または購入希望者に対する感じの良い接客ができていたかを見直すことが重要です。過度にプッシュするような対応も反感を買うことがありますので注意が必要です。
売主がまだ居住している場合、その物件での生活感が漂っていることが購入検討を躊躇させる原因となり得ます。購入希望者が売り手のプライベートスペースを尊重しようとして、部屋の詳細な観察を避けることがあります。
これは、購入の決断を困難にし、内覧からの購入確率を低下させることにつながります。
【注意!】家が売れない際に避けるべき行動
以下に挙げるのは、家が売れない際に基本的に避けるべき行動です。
次の2つの行為は安易に実行すべきではありません。
- リフォームを施す
- 古い一戸建てを解体する
これらの方法が効果を発揮することもありますが、成功例は限定的です。信頼できる不動産会社と相談し、慎重に行動計画を決めることが重要です。
①リフォームを施す
家がなかなか売れない場合、リフォームしてから売却することを考えるかもしれませんが、通常はリフォームをすることは推奨されません。
その理由は、リフォームに投じた費用を完全に販売価格に反映させることが難しく、結果的に損をしてしまう場合が多いからです。
また、多くの買主は自分の好みに合わせてリフォームを行いたいと考えていますので、事前にリフォームを行ってしまうと、それが逆効果となり売却が難しくなることもあります。
しかし、もし同じ建物内に類似の物件が多数出ている場合などは、リフォームによって他の物件との差別化を図ることができ、それが売却を促進する可能性もあります。
リフォーム済みの物件は、引っ越し後すぐに住み始められるため、即入居を望む買主には魅力的であり、また購入後の予算超過の心配がないため、安心して購入を決められます。
最終的にリフォームを行うかどうかは、その地域の不動産市場をよく知る不動産会社に相談して決めるのが良いでしょう。
②古い一戸建てを解体する
築年数が長い家を持っている場合、解体して更地にしてから売ることを検討するかもしれませんが、これが必ずしも最善の選択とは限りません。
地域によっては、古い家自体に需要がある場合もあるからです。
土地を求める購入希望者が多い地域であっても、その土地に魅力を感じれば、既存の建物を取り壊す前提で購入することもありますし、建物が存在することで新しい建物の配置を想像しやすくなります。
さらに、1月1日時点で建物が存在している場合、その土地の固定資産税は更地に比べて安くなるため、売却後に解体するのが一般的です。
しかし、人気の住宅地で更地を求める需要が高い場合は、建物を解体してから売却した方がスムーズに進むこともあります。
広い土地を持っている場合には、建物を解体し、土地を分割してから売却する方が有利な場合もあります。
自宅をそのまま売るか、解体してから土地を売るかの戦略については、信頼できる不動産会社からのアドバイスを参考にすると良いでしょう。
どうしても売れない時はどうすれば?
もし「すべての対策を試しても家が売れない」「急いで売却したい特別な事情がある」という状況にあるならば、不動産会社の「買取」サービスを考慮するのも一つの方法です。買取とは、不動産会社が直接あなたの物件を購入する手続きのことです。
買取の最大の利点は、迅速に現金を手に入れることができる点です。査定を受けて不動産会社と売買契約を結べば、数日内に物件を現金化することが可能です。
ただ、買取価格が市場価格の約70%程度になることは留意が必要です。もし売却価格を重視するならば、信頼できる実績のある不動産会社に仲介を依頼することで、売れない状況を避けることができます。
まとめ
家を売りたいと考えているとき、スムーズな取引を実現するためには事前の準備が非常に重要です。
内覧の回数を増やし、それを購入に結びつけるための適切な準備を行うことが、効率的な売却へと繋がります。もし老後の計画や実家の相続などで将来的に住まいを売却する予定がある場合、早めに準備を始めることが望ましいです。
現時点から始められる対策として、不動産会社による査定を受けたり、同じ条件の物件の市場価格を調べたりすることが有効です。市場価格を事前に把握しておくことで、売却時の計画がより具体的に、かつスムーズに進めることが可能になります。